ビタミンはエネルギーにもならず、身体の構成成分でもありませんが、酵素作用や代謝調節作用 ミネラルは身体の構成成分であり、その他酵素作用や代謝調節作用始めいろいろな生理機能に 重要です。
これらのビタミンやミネラルは、一般の人に比べ、スポーツ選手は5〜10倍以上必要とします。 それは、次のようなスポーツ時特有の働きを助けるためです。 短時間に放出する大量のエネルギーを産生する 活発な神経作用を継続する 強いストレスに立ち向かう 体構成組織の崩壊や成分の損耗を修復再生する 大量の発汗で失われる栄養素を補うなど
一般の人との比較などは
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瞬発的スポーツの場合はビタミンB群をこれよりもやや多目にします。瞬発的に糖質からエネルギーを産生するためです。
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ミネラルの名称 | 作 用 | 欠 乏 症 | 多く含む食品と備考 |
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カルシウム | ・神経・筋肉の興奮性 ・筋肉収縮、血液凝固 ・骨および歯の成分 ・ホルモン作用・酵素の 活性化と調節 |
・テタニー(四肢と咽喉の 筋肉のけいれんを起こす) ・血圧上昇、骨粗鬆症 ・スポーツ選手は発汗により 50mg/汗1リットル失う ・筋肉硬直、筋肉痛、骨成分 損耗 |
牛乳・乳製品、海藻、小魚・魚の 小骨 大豆・大豆製品、緑黄色野菜 牛乳に含まれる乳糖やカゼイン フォスフォペプチドがカルシウムの 吸収を高めるといわれ、例えば、 小魚などと食べ合わせると効果的 |
リ ン | ・歯・骨を形成(リン酸カルシ ウムリン酸マグネシウム) ・体構成成分(核酸、ATP、 糖代謝中間体、リン脂質、 補酵素など) ・カルシウム:リンは1:1〜2まで |
特に不足しない ・加工食品摂取による 過剰に注意 |
卵黄、肉、魚、牛乳、チーズ、 全粒穀物とシリアルなど (リンの排泄が多いとカルシウムの 排泄も増えるので、過剰摂取に注意) |
カリウム | ・神経・筋肉の興奮性を 正常に保つ ・細胞内液中の陽イオンと して浸透圧,酸・塩基平衡 および水分平衡の保持 ・グリコーゲンおよびたんぱく質の蓄積 に関与 |
・日常は不足しないが、 スポーツなどで筋収縮が激しく、 長時間続く場合に注意 ・低カリウム血症 (全身倦怠、筋疲労・筋麻痺、 心筋障害など) |
いも類、野菜・果物類、豆類、 きのこ類、海藻類 |
ナトリウム | ・細胞外液中の陽イオンとして 浸透圧,酸・塩基平衡 および水分平衡の保持 |
・高カリウム血症を伴う。 例えば水分のみ補充すると 水は細胞内液に入り、 脱力感、頭痛、めまい、食欲不振 悪心、嘔吐などの症状がでる。 ・発汗により2.87g/汗1リットル失う。 順応すると損失は少なくなる などの研究がある。 |
食塩や調味料、動物性食品および 加工品、塩蔵物など (生活習慣病予防面からも過剰を 避ける) |
マグネシウム | ・リン酸塩・炭酸塩として、骨と 歯を構成 ・酵素の補助因子(ATP反応) ・神経・筋肉の正常な機能保持 |
・興奮性が増加しテタニー となる(カルシウムと同様) |
緑黄色野菜、穀類、種実、豆類 |
鉄 | ・ヘモグロビン、ミオグロビン、 チトクロームとして存在し、 ・酸素の運搬、貯蔵、利用など エネルギー代謝に直接関与 |
・貧血に伴う症状 ・エネルギー生成に支障 ・発汗での損失 は 0.5mg/汗1リットル 鉄の吸収率は10%なので、 2リットルの汗では、鉄10mg を摂取して補うことになる。 |
レバー、煮干し、あさり、しじみ はまぐり、ほっきがい、やつめ鰻 あゆはらわた、干しひじき、のり 卵黄、大豆、ほうれん草 |
鉛 | ・酵素成分(物質代謝、 核酸たんぱく質合成など) |
・皮膚炎、成長障害、第二次 性徴発現の遅れなど ・抵抗力低下 ・亜鉛を含む食器から過剰摂取の 例がある |
レバー、肉、魚介類、種実 普通の食事であれば欠乏しない |
ビタミンの名称 | 作 用 | 欠 乏 症 | 多く含む食品と備考 | |
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脂 溶 性 ビ タ ミ ン |
ビタミンA | ・成長促進、視覚の機能 ・上皮組織の維持 ・特にβ-カロテンは抗酸化作用 (有害フリーラジカルと反応し、 細胞構成物質を守る) ・制ガン作用 |
・成長停止・眼球乾燥症、 ・夜盲症 ・上皮細胞の糖たんぱく合成障害 による粘膜や表皮の角化・乾燥化 |
肝油、バター、レバー、 緑黄色野菜、のりなど (特に剣道、フェンシング、 弓道、射撃など視力が成 績に影響) |
ビタミンD | ・カルシウムやリンの吸収 ・骨と歯の石灰化 ・血中カルシウム濃度の維持 |
・骨・歯の発育不良 ・くる病、骨軟化症、 ・骨粗鬆症 |
肝油、レバー、卵黄 青魚、干し椎茸、バター 牛乳 |
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ビタミンE | ・カルシウムやリンの吸収 ・骨と歯の石灰化 ・血中カルシウム濃度の維持 |
・神経機能異常 ・筋萎縮症 | 米・小麦粉の胚芽 胚芽油、レバー、卵黄 緑黄色野菜 |
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ビタミンK | ・抗酸化作用、生体膜の機能 維持、乳幼児の赤血球の溶血 防止、生殖機能調節 |
・血液凝固遅延 ・出血症 ・骨形成不全 |
納豆、レバー、緑黄色野菜、 ナチュラルチーズ(微生物に) |
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水 溶 性 ビ タ ミ ン |
ビタミンB1 | ・糖質代謝、神経・消化器・ 心臓・血管系の機能調整 |
・倦怠感 ・筋肉痛 ・心悸亢進 ・脚気、多発性神経症 ・発汗で損失 |
豚肉(その製品)、卵黄、 穀類胚芽、レバー、牛乳、 強化米 ◎エネルギー増に伴い多く |
ビタミンB2 | ・糖質・脂質・アミノ酸の異化代謝 ・皮膚の正常化 |
・口内炎 ・口角炎 ・舌炎 ・脂漏性皮膚炎 ・眼に炎症 ・脂質代謝障害 ・貧血 |
レバー、牛乳・乳製品、 卵、納豆、・豆類 ◎エネルギー増に伴い多く |
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ナイアシン | ・脂質・脂肪の異化反応 ・胃腸・皮膚の正常化 |
・ペラグラ(皮膚炎、下痢、 中枢神経症) ・胃炎 |
レバー、肉、魚、納豆 | |
パントテン酸 | ・糖質・脂質代謝 | ・腸内細菌叢により合成 | ほとんどの食品 | |
ビオチン | ・糖質・脂質・アミノ酸代謝 ・抗卵白障害因子 |
・腸内細菌叢により合成 | ほとんどの食品 | |
葉 酸 | ・造血作用 ・核酸・アミノ酸代謝 |
・腸内細菌叢により合成 ・巨赤芽球性貧血 ・舌炎 ・口内炎 |
レバー、豆類、緑黄色野菜 | |
ビタミンB6 | ・脂質・アミノ酸代謝 ・皮膚の正常化 |
・腸内細菌叢により合成 ・小球性低色素性貧血 ・脂漏性皮膚炎 ・多発性神経炎 ・舌炎 ・口角炎 ・結膜炎 |
魚、肉、レバー、豆類 | |
ビタミンB12 | ・赤血球生成 ・たんぱく質・核酸の合成 ・アミノ酸代謝 |
・葉酸の代謝障害から 巨赤芽球性貧血 ・ビタミンB12吸収には 胃粘膜にある糖たんぱくが必要 |
レバー、肉、魚、乳製品、卵 | |
ビタミンC | ・コラーゲンの生成 ・抗酸化作用 ・毛細血管の正常化 ・鉄の吸収促進 ・抗ストレス作用に働く副腎 皮質ホルモンの合成に関与 |
・壊血病 ・骨、歯の脆弱 ・メラニン色素沈着(チロシン 代謝障害) ・伝染病に対する抵抗力減退 |
果物(キウイフルーツ、苺、 柑橘類他)、緑黄色野菜、 その他の野菜、いも類 |